プレミア音楽朗読劇「VOICARION Ⅶ 龍馬のくつ」感想
日比谷シアタークリエで上演されていたプレミア音楽朗読劇「VOICARION Ⅶ 龍馬のくつ」を観劇してきました!
朗読劇というものもシアタークリエに行くのも初めてだったんですが、キャパを調べてみたら600席ちょっとしかなくて「えっ…これチケット当たる…?」という最初からクライマックス。とりあえずいつもマモ活で連番する相方と手分けして2/22の昼夜をそれぞれラフピで応募したらどっちも当たったので、2公演観劇してきました。倍率どんな感じだったんだろう、今回はそのラフピの分しか応募しなかったのであまりよく把握してません。
席は11列と6列でどちらもほぼ真ん中でした!そもそも会場が小さめなので、多分どの席でもいつもの会場規模より全然見えたと思うんですが、見やすい良い位置でした。
「龍馬のくつ」感想
さて、ここから感想書いていきます!
いつも内容からピックアップして書くことが多いですが、今回は会場の雰囲気づくりもすごく素敵だったので、そこから書き残したいと思います。
会場
会場に入ると、なんとも風流のある蝉の鳴き声が静かに響いていました。音楽はなくて、蝉と雨のしとしとポツポツした自然の音だけ。この雰囲気がめちゃくちゃ良い。
そして目の前のステージには半透明の幕。蝉の鳴き声もこの幕も内容に関係のある舞台セットの一部として機能していたんですが、それは後で書きますね。ステージの幕は演出家さんがツイッターにお写真を載せてくださっていたので、引用させてもらいます。
宮野真守さん、林原めぐみ姐さん、山寺宏一兄さん、そしてバンドのWASABIと打ち上げてきました。最高の一週間でした。「マモって呼んでいいよ」って言われました。年下だけど照れくさい。でも、大好きになりました。#voicarion #竜馬のくつ#藤沢朗読劇 pic.twitter.com/zpQOHuvHg8
— 藤沢文翁(Bun-O FUJISAWA)&MARS RED AUTHOR (@FujisawaBun_O) 2020年2月25日
1幕と2幕があって、後ろに写っている紅葉は2幕でセットされるので最初はありません。この幕が良い仕事してたんですよ〜〜〜!客側から光が当たってたら舞台側は目隠しされたようにあんまり透けて見えない状態になるし、客側を暗くして舞台側から光を当てれば演者の姿がシルエットになって幕に浮かび上がるという……。幕の役割を果たしつつ、視覚的な演出効果としても良い仕事をしていた幕。
あと左右に糸みたいなのが張ってあるんですが、舞台にも張り巡らされてます。左右の糸はちょっと客席にはみ出るくらいの位置から吊るされていて、会場を暗くしてこの糸の方向に照明を当てると、その糸がピーンと艶っぽく光ってるように見えるんですよ。言葉じゃ伝えにくいのがもどかしいんですが、ライブで言うとレーザービームが天井に向かって伸びてるみたいな感じに近いかな。それがアナログになった舞台美術っていう感じだった。
連日のスタンディングオベーションも本当にありがとうございました❗️ラストシーン、客席でも数カ所紅葉が降る演出がございましたが、実は、、千穐楽は、1枚だけ藤沢文翁さんのサイン入りスペシャル紅葉でした🍁#voicarion#龍馬のくつ pic.twitter.com/Z3PNvBlyqB
— VOICARION(ヴォイサリオン)公式 (@voicarion) 2020年2月25日
これラストの挨拶の様子ですが、糸こんなかんじ!光が当たってるところがきらっとなって色が変わってるように見えるというか!きれいだったなあ。
そして開演前にやたら良い声のナレーション(注意事項とかの案内される)が入って、その締めくくりに「雨が上がれば、物語は始まります」的なすごい乙な導入をするんですよ…。細かいところのつくりが洗練されてました。
ストーリー
ストーリーをざっくり説明します。
ひとり静かに隠居生活を送る龍馬の妻・お龍のもとへ、龍馬の生前に海援隊隊士だった陸奥宗光の息子が訪ねて来る。龍馬は死後に英雄とされて語り継がれていて、陸奥はそんな英雄の龍馬について本を書くつもりでお龍に話を聞きにきたが、お龍の知る龍馬はそんな人間ではなかったと言う。お龍は世間に広がる龍馬の噂に辟易していて、そんな“本当の龍馬ではない龍馬”の英雄談が一人歩きしていくことを「龍馬は二度殺される」と言って怒り・悔しさ・悲しみをにじませる。陸奥は、最初は英雄談を目的にお龍と訪ねたが、お龍の語る普通の人間らしい龍馬の話を聞くにつれて考えを改めていき、お龍の語る“武士らしくない一面も持った龍馬”を肯定していくようになる。最後に陸奥が「龍馬とお龍は日本で初めてハネムーンに行った夫婦だ」とお龍に教えて、そのときの様子を龍馬が書いたという手書きの手紙をお龍に見せる。それを見たお龍は、「龍馬はまだここに生きていたのね」と喜んだ。「自分がもうじき死んだら、龍馬とお龍、ふたりの龍が天高く昇っていくの」と言うお龍の姿を見て、陸奥はまるで目の前に若かりし頃のお龍が見えたと感じた。
という陸奥の思い出が、「陸奥自身の最期が来る前に本として記す。」という冒頭の語りに繋がるという構成でした。お龍と陸奥が話す過去と、龍馬が生きていた頃の思い出話が交互に繰り返されながら話が進み、その話を陸奥が回想するという入れ子の構造になっています。
感想
一言で表すと「研ぎ澄まされた少数精鋭朗読劇」だった!和楽器の生演奏も静かに美しい舞台セットもキャストも全部!
まず宮野さんと共演しているおふたりが、めぐさんと山寺さんという時点でやばいですよね。宮野さんがここ数年後輩との接し方も指導側というか助言する側にいる立ち位置になっている近年、こんな共演するのが大ベテランの先輩だけという状況もなかなかレアだしこの先もそう多くないんじゃないだろうか…。
そして、そんな先輩方の演技はやっぱりすごい。山寺さんは4〜5役当てられてたのに全部別人だったし、わたしはめぐさんに鳥肌が立ちっぱなしだった。
年老いたお龍と若い頃のお龍で結構しゃべりっぱなしな役だったんですが、場面転換の一言目でガラッと空気が重くなったり軽くなったりするんですよ。あと年老いたお龍は基本的に淡々と静かに話すんだけど、「なんで龍馬が殺されなきゃいけなかったのか…(略)私には分からないんだよ」のセリフにゾワワ〜ってすごい鳥肌立ちました。「(龍馬が)殺される」という単語ににじむ憎悪と悲しみのような感情が伝わってきた。
そんな中で宮野さんは、“陽気でひょうきん、楽観的な龍馬”という表の顔の下に、“死に対する恐怖と必死に闘う臆病な龍馬”の顔を持った龍馬を舞台上で演じていました。こういう「陽だけど陰」みたいな役ってすごく宮野さんに合うなと思います。
龍馬の死に場所となる京都へ行く少し前、反対するお龍が「どうして行かなきゃいけないのか、どうして日本を変えるのが龍馬じゃなきゃいけないのか」と詰め寄るシーンがあるんですが、龍馬は「ただ褒められたいがじゃ!よくぞ生まれてきたと…」と胸の内にある想いをお龍に告げます。お龍は「褒められたいから死にに行くの?」と呆れつつも笑い、龍馬に「生きて帰ってくるのよ」と見送ります。そんな龍馬は帰ってこないわけですが……。
なんだろな、この龍馬の「褒められたい」というただただシンプルな想いが、宮野さんがよく言う「笑ってもらいたい」と近いものを感じる。いろいろ難しいことがあっても、それを紐解いていくと見えてくる感情ってそういうシンプルなものなのかもしれない。
タイトルの「龍馬のくつ」というのは、物語の中に出てきます。陸奥が写真で見た龍馬が履いていた靴をお龍の家の玄関で発見して、「龍馬さんは時代を先取りしてたイケてる男だったんだな〜!(意訳)」って興奮していたら、お龍が「それはその写真を撮るときだけ履いて、履き心地が合わんかったから龍馬が私にくれたんやで(意訳)」と語るシーンがあるので、その靴のことだと思います。そして陸奥がお龍と別れるときに、「この龍馬さんの靴を履かせてもらってもいいですか?」と聞いて一度だけその靴を履くシーンが物語の終盤にあります。
最初にその靴を見た時と、靴を履かせてもらったときでは陸奥の気持ちや龍馬に対するイメージも全然違ったんだろうな。そしてお龍が龍馬の手紙を見たときと同じように、「ここに龍馬が生きていた」って思ったのかもしれない。思い浮かべたのはきっと英雄龍馬ではなく、お龍とただ普通の生活をする龍馬だったんでしょう。
ざっと内容を書いてきましたが、舞台の幕に書かれている文字や絵は、龍馬が書いた手紙。最初の蝉の鳴き声は、お龍が「季節外れの蝉の鳴き声は、ひとりぼっちで番を探してる鳴き声だから嫌い」と語ることに繋がる。2幕の舞台セットに付け足される紅葉は、お龍と龍馬が船の上で会話をするシーンで二人の目に映る景色だと思うんですが、紅葉の様子に例えたセリフが入っていたり、客席に紅葉の葉が降ったり。それぞれ舞台セットが物語のキーアイテムを連想させる装置になっていました。
あと朗読劇の良いところって、キャストの台本の持ち方とか仕草も丸見えってところかなと思いました。めぐさんは両手できちっと台本持つタイプで、あんまりその型が崩れないタイプ。山寺さんは台本の折り目を片手で支えて、どんな役をやってても基本姿勢が崩れないタイプ。宮野さんはヒートアップすると台本を持つ姿勢が最初の姿勢から大きく崩れる。隣に相手役がいる意識でやるからなのか、隣への目配せも仕草も表情の動きもいちばん大きい。でもそれが龍馬の役柄にもまた合ってるんだよなあ〜。
水飲むところは思わずじっと見てしまった。コップに水が注いであって、宮野さんと山寺さんのコップにはゴミが入らないようにか蓋がかぶせてあったんですが(めぐさんだけお茶碗だった)、その蓋を取る仕草すら様になってた(笑)
それにしても山寺さん全然お水飲まなくてびっくりしました。あんなに出番多いのにほとんど飲んでいらっしゃらなかったな。
余談
年明け少し前くらいから唐突にらんまブームが来ていまして、今回めぐさんと山寺さんが宮野さんと共演と聞いて「女らんまと良牙じゃん……!!!」と密かにテンションがあがっていたワイ氏。めぐさんのセリフに「はねっかえり」という単語が入っていて、失礼かなと思いながらもめちゃくちゃ興奮した。ありがとうございました。
そして朗読劇が終わったらすぐに次の舞台の情報解禁が来てびっくり。劇団☆新感線の舞台再び!
今度は大阪でも上演してくれるらしいのでハイパーありがたい。正直豊洲行きにくかったからな…。
そして個人的にはここからしばらくはコンサートやライブの予定がたくさんです。
3月 モー娘。コンサート、小田さくらちゃんバースデーイベント
4月 プリライ
5月 Juice=Juiceコンサート
6月 マモライ
ちゃっかりハロプロの予定が増えました。FCに入ってすぐのビギナーズラックなのか分かりませんが、応募した公演にうまいこと当選しています。あとは、ハロプロヤクザの友人がTravis Japan(ジャニーズJr.らしい)に急にハマっていて、当たればそれに連行されるかもしれない。
ハロプロヤクザ「おくらさんの推しは絶対宮近か元太!大穴で松倉!」
わたし「まだ誰が誰か全く分からんので持ち帰ります」
ハロプロヤクザ「じゃあハイ円盤」
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わたし「強いて言うなら子犬か金髪かな?(のちに吉澤松倉と判明)」
ハロプロヤクザ「なんでや」
↓
吉澤閑也(グレーのパンツの子)の下半身の安定感見てたら1日終わろうとしているなう